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特集 サーカディアンリズム—基礎から臨床へ
感情障害における生体リズムとその解析法
Circadian Temperature Rhythm in Affective Disorders and Method of Its Analysis
山田 尚登
1
,
下田 和孝
1
,
辻本 哲士
1
,
高橋 三郎
1
Naoto Yamada
1
,
Kazutaka Shimoda
1
,
Tetsushi Tsujimoto
1
,
Saburo Takahashi
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
pp.41-49
発行日 1989年1月15日
Published Date 1989/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204645
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I.はじめに
うつ病は,周期的かつ反復的発症,早朝覚醒,気分の日内変動などの臨床的特徴から,生体リズムの異常が推定され,これまでに睡眠,体温,ホルモン分泌,尿中電解質排泄など,種々の生理機能の日内リズムが観察されてきた。しかし,これらの多くは,リズム異常を感情障害の随伴症状あるいは二次的な症状としてとらえようとするものであり,最近のように,生体リズムの異常そのものが病態発生機序に関与しているという積極的なものではなかった。さて,近年の時間生物学の進歩により,感情障害の原因としていくつかのリズム異常仮説が提唱され注目を集めているが,これらには問題点も多々あり統一された見解が得られていない。
ここでは,これまでに提唱された代表的な感情障害のリズム異常仮説を紹介し,それらの問題点,特に測定法や解析方法における問題点を中心に概説し,さらに我々の深部体温を用いた結果を踏まえ,感情障害におけるリズム異常に関し論ずる。
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