Japanese
English
展望
精神分裂病における言語新作(1)
Le néologisme schizophrénique (1)
森山 成彬
1,2
Nariakira Moriyama
1,2
1九州大学医学部神経精神医学教室
2八幡厚生病院
1Service de Neuropsychiatrie, Faculté de Médecine, Université du Kyushu
2Hôpital de Yahata-Kohsei
pp.1290-1295
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204622
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
言語新作néologismeとは,新しい言葉あるいは,既存のとは異なる新しい表現の謂である71)。Lantéri-Laura, G. ら51)によれぱ,néologismeという語の初出は1735年で,哲学書のなかで使われ,科学・技術用語の創出,および死語や外国語からの借用による新語をさしていた。しかし,その実体は言語体系そのものの独創から,言葉の意味の微妙なズレまで多様であり,それが次頁表のように,多種の類語を派生させる理由にもなっている。
こうした言語新作を精神分裂病者が生み出してきた事実は,多くの精神医学者の注目をひき,その研究史は少なくとも19世紀中葉まで遡ることができる。彼らはそこに病者の体験が凝集されていると信じ,様々の症例を集め検討した。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.