Japanese
English
研究と報告
自己意識から見た神経症とその周辺(第2報)—神経症化しやすい自己意識の偏りと性格傾向について
Self-Consciousness in Neurotic and Similar Psychiatric Patients: Second report
鍋田 恭孝
1
,
菅原 健介
2
,
片山 信吾
3
,
越川 裕樹
3
Yasutaka Nabeta
1
,
Kensuke Sugawara
2
,
Shingo Katayama
3
,
Hiroki Koshikawa
3
1藤田学園保健衛生大学医学部精神神経科
2東京都立大学院人文科学研究科心理学研究室
3慶応大学医学部精神神経学教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Fuiita-Gakuen University
2Department of Psychology, Faculty of Social Science & Humanities, Tokyo Metropolitan University
3Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
キーワード:
Self-consciousness
,
Neuroses
,
Eating disorder
,
Social phobia
Keyword:
Self-consciousness
,
Neuroses
,
Eating disorder
,
Social phobia
pp.1297-1304
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204623
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抄録 第1報において,各種の神経症者には特徴的な自己意識の偏りが存在することを指摘し,また,他誌において自己意識に偏りを示すものには一定の性格傾向が見出だされることを報告した。そこで特定の自己意識の偏りと,それに伴う性格傾向を有する神経症者と健康者とを比較検討することで,そのような性格傾向(病前性格と言ってもよいが)が,病態発生の本質的な要因なのかどうか,もし,そうでないのなら,何が重要な要因なのかを検討した。その結果,特定の自己意識および性格傾向を有していても十分健康なものが存在しており,神経症化するためには,自らの性格傾向に対する自己嫌悪感,適応上の柔軟性のなさなどが,そのような性格傾向に伴うことが必要であることが確認できた。また,この種の神経症になりにくい性格というものが存在し,それが自分の生き方を明確にしている者たちであることも確認された。
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