Japanese
English
研究と報告
「苦悩の重圧」からみた思春期やせ症の1治療例
The Pressure of Pain in a Case of Anorexia Nervosa
親富祖 勝己
1
,
吉野 啓子
2
,
宮本 忠雄
2
Katsumi Oyafuso
1
,
Keiko Yoshino
2
,
Tadao Miyamoto
2
1伊是名診療所
2自治医科大学精神医学教室
1Izena-Shinryohjo
2Psychiatric Department of Jichi Medical School
キーワード:
Anorexia nervosa
,
Behavior modification
,
Pressure of pain(Leidensdruck)
,
Alexithymia
Keyword:
Anorexia nervosa
,
Behavior modification
,
Pressure of pain(Leidensdruck)
,
Alexithymia
pp.27-34
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204450
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抄録 行動療法的アプローチによって症状の改善をみた思春期やせ症の症例を報告した。思春期やせ症は治療への導入もさることながら,治療そのものに困難を感じることが少なくない。そのレベルはさまざまであるが,本症のごく平均的な1症例を通じて,症状そのものの"苦悩の重圧"からその治療困難性を考察し,"二重のアレキシチミア"を手がかりに本症の特異な精神・身体状況の二分節化を試みた。すなわち本症は隠蔽された"苦悩の重圧"と"二重のアレキシチミア"が複雑に絡み合うことで,混迷した状況を作り出し,治療を困難化していると思われる。そして最後に本症への行動療法の適応についてその是非を論じた。
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