Japanese
English
研究と報告
Gilles de la Tourette症候群の精神医学的研究—(1)症状論的検討
Psychiatric Aspects of Gilles de la Tourette Syndrome: (1) On the symptomatology
斉藤 幹郎
1,2
Mikiro Saitoh
1,2
1順天堂精神医学研究所付属順天堂越谷病院
2順天堂大学精神医学教室
1Juntendo Psychiatric Institute, Juntendo Koshigaya Hospital
2Department of Psychiatry, School of Medicine, Juntendo University
キーワード:
Gilles de la Tourette syndrome
,
Symptomatology
,
Common internal structure of the symptoms
,
Obsessive-compulsive symptoms
,
Age development
Keyword:
Gilles de la Tourette syndrome
,
Symptomatology
,
Common internal structure of the symptoms
,
Obsessive-compulsive symptoms
,
Age development
pp.35-43
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204451
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抄録 DSM-Ⅲの定義を満たす17名のGilles de la Tourette症候群の患者を,初診時年齢13から23歳の年長群10名と7から10歳の年少群7名に分け,運動性チック,発声チック,汚言,強迫的症状および症状出現の経過を検討した。運動性チックでは全例が複雑運動を含む多発性チックを示したが,複雑運動は年長群では意識された,強迫性をおびた症状となりより複雑な行為強迫症状との連続性を認めた。発声チックから汚言まではやはり連続性を示し,汚言が汚言として成立するには社会的規範を破ることを認識する必要があると推定した。各症状を患者が意識した場合は「してはいけないことをやってはいけない,しかしやりたい,やれば苦しい」という共通の構造を示し,またチックに内在する同一の繰り返しが各症状に保持されていると考えた。そして年齢の発達が強迫的症状,汚言の出現にとって必要であると結論した。
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