Japanese
English
研究と報告
男子二卵性双生児の一方(弟)にみられた思春期やせ症の1例
A Case of Anorexia Nervosa Observed in One of Male Dizygotic Twins
酒井 明夫
1
,
岡本 芳文
1
,
斎藤 徹
1
,
斉藤 潔
1
,
阿部 広子
1
,
宮崎 貴代花
1
,
三田 俊夫
1
,
切替 辰哉
1
Akio Sakai
1
,
Yoshifumi Okamoto
1
,
Tohru Saito
1
,
Kiyoshi Saito
1
,
Hiroko Abe
1
,
Kiyoka Miyazaki
1
,
Toshio Mita
1
,
Tatsuya Kirikae
1
1岩手医科大学神経精神科学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, Iwate Medical University
キーワード:
Anorexia nervosa
,
Case report
,
Male
,
Twins
,
Dizygotic diseases in twins
Keyword:
Anorexia nervosa
,
Case report
,
Male
,
Twins
,
Dizygotic diseases in twins
pp.405-412
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203249
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抄録 思春期やせ症の男子例についての報告はわが国ではまだ少ない。特に男子の双生児における本疾患の問題を扱った報告はまだわれわれの知るかぎりではみあたらない。
今回われわれは,男子二卵性双生児の弟にのみ発症した思春期やせ症の一例を報告した。患者は高校2年時に発病し,やせの希求とそれに伴う体重減少,強迫的な行動や生活様式などを示した。本症例における成熟嫌悪は,父親に象徴される男性性の否定として出現していると考えられるが,性格や体格の面で著しく異なり,患者に比してより健康な成熟をとげつつある兄に代表される男性性の拒否と,兄とは異なる位置に自身を置こうとした患者の心理規制が,本疾患の発現に重要な役割を有すると考えられた。
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