Japanese
English
研究と報告
感応現象を呈した女子一卵性双生児の分裂病不一致例
A Case of Monozygotic Twin Sisters Discordant for Schizophrenia, which exhibited Induced Phenomenon at an Incipient Stage
三浦 隆男
1
,
安藤 嘉朗
2
,
三川 博
1
,
布施 清一
1
Takao Miura
1
,
Yoshirō Ando
2
,
Hiroshi Mikawa
1
,
Kiyokazu Fuse
1
1布施病院
2大館市立総合病院精神科
1Fuse Hospital
2Department of Psychiatry, Ōdate Municipal Hospital
キーワード:
Identical (monozygotic) twin
,
Folie à deux
,
Induced phenomenon
Keyword:
Identical (monozygotic) twin
,
Folie à deux
,
Induced phenomenon
pp.999-1004
発行日 1987年9月15日
Published Date 1987/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204391
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抄録 共通した生活史を有する一卵性双生児姉妹にほぼ同時に精神症状が発現し,その後不一致性の経過をたどった症例を報告した。初発時,まず姉が幻覚妄想,人格喪失感等を呈した。ついで妹が,幻聴内容を含め姉の妄想を受け入れ感応現象を呈し,さらに不安・抑うつ,関係念慮等を示した。二人共心因反応(妄想反応)と診断され,約3カ月の外来治療にて寛解状態となった。しかし約7カ月後に姉が不安,恐怖感,注察妄想等で再発し入院となり,やがて典型的な分裂病像を呈した。姉の入院後間もなく,妹も再び不安・抑うつ状態を呈するようになり,やはり入院となった。退院時に妹は寛解状態となったが,姉は感情鈍麻,自発性の減退を残していた。
本症はfolie à deuxの範疇に入るケースと考えられたが,一卵性双生児間の発症であること,初発時と再発時で経過が異なること,妄想移入に伴い幻聴内容の移入もみられたことなど興味をひく臨床像を呈していた。
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