Japanese
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研究と報告
森田療法における絶対臥褥期の意義—主観的睡眠感と睡眠・覚醒ポリグラフの対応から
A Study of Signlficance under the Absolute Bedrest Condition in "Morlta Therapy": Relationship between sleep-wake polygraph and Self-Sleep Rating Scale
西本 雅彦
1
,
川口 浩司
1
,
星野 良一
1
,
大原 浩一
1
,
大原 健士郎
1
Masahiko Nishimoto
1
,
Koji Kawaguchi
1
,
Ryoichi Hoshino
1
,
Koichi Ohara
1
,
Kenshiro Ohara
1
1浜松医科大学精神神経医学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Absolute bedrest condition
,
Self-sleep rating scale
,
Sleep-wake polygraph
,
Neurosis
Keyword:
Absolute bedrest condition
,
Self-sleep rating scale
,
Sleep-wake polygraph
,
Neurosis
pp.493-500
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204328
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抄録 男子神経症者5例(平均25.8歳)と対照群6例(平均25.0歳,健常男子)に森田療法の絶対臥褥を施行し,睡眠・覚醒ポリグラフと睡眠内省(主観的睡眠感)を7日間にわたって記録し,以下の結果を得た。1)対照群の第一夜効果に対応するのは,神経症群では基準夜と第1日目であると思われた。2)対照群では主観的睡眠感とTST/TIBの間で,基準夜から第6日目まで正の相関が認められた。3)神経症群では熟眠感,目ざめの爽快感,睡眠の時間とTST/TIBの間で,基準夜と第1日目,第5日目と第6日目に正の相関が認められた。この睡眠の主観的評価や客観的所見が,精神生理学的状態の一部を反映するものと思われた。これより森田のいう絶対臥褥期の定型的な経過を睡眠の主観的評価や客観的所見から検討すると,神経症群では,心身の安静期は基準夜と第1日目,煩悶期は第2日目から第4日目,退屈期は第5日目と第6日目に相当すると思われた。4)また神経症群の主観的睡眠感の評価が絶対臥褥期の後半に対照群に類似することより,絶対臥褥期が治療効果を有するものと考えられた。
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