Japanese
English
研究と報告
殺人を犯した覚醒剤中毒・アルコール依存症の1例
A Case of Methamphetamine Psychosis and Alcohol Dependence with Homicide
大原 浩一
1
,
堀尾 直樹
1
,
野村 和弘
1
,
川口 浩司
1
,
板谷 武彦
1
,
星野 良一
1
Koichi Ohara
1
,
Naoki Horio
1
,
Kazuhiro Nomura
1
,
Koji Kawaguchi
1
,
Takehiko Itaya
1
,
Ryoichi Hoshino
1
1浜松医科大学精神神経科教室
1Department of Psychiatry & Neurology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Alcohol dependence
,
Intoxication
,
Methamphetamine psychosls
,
Flashback phenomenon
,
Homicide
Keyword:
Alcohol dependence
,
Intoxication
,
Methamphetamine psychosls
,
Flashback phenomenon
,
Homicide
pp.77-81
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204456
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抄録 覚醒剤中毒およびアルコール依存症と診断され,治療を受けていた患者で,殺人を犯した症例を鑑定する機会を得た。症例は10代後半から,アルコールおよび覚醒剤に手を出し,恐喝などの問題を繰り返して起こしていた。犯行当時,覚醒剤中毒によると思われる幻覚が持続していた。飲酒テストにより容易に幻視・幻聴が惹起され,易暴力的になり,また,犯行後,事件の記憶は急速に薄れてくるという健忘を呈している。これらのことより,本症例は飲酒による病的酩酊を呈したともいえるし,覚醒剤使用経験者のフラッシュバック現象ととらえることも可能であり,単一の概念で理解することは困難であると思われた。
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