Japanese
English
短報
精神神経症状が前景であったNeuro-Behçet症候群の1例
A Case of Neuro-Behçet's Syndrome with Predominant Neuro-Psychiatric Symptoms
鈴木 節夫
1
,
川口 浩司
1
,
松下 恵美子
1
,
星野 良一
1
,
鈴木 康夫
1
,
大原 健士郎
1
Setsuo Suzuki
1
,
Koji Kawaguchi
1
,
Emiko Ueda
1
,
Ryoichi Hoshino
1
,
Yasuo Suzuki
1
,
Kenshiro Ohara
1
1浜松医科大学精神神経科学教室
1Department of Neurology and Psychiatry, Hamamatsu University School of Medicine
pp.1309-1312
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203867
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I.はじめに
Behçet病は再発性口腔内アフタ,陰部潰瘍,眼症状,皮膚症状を4主症状とし,このほかにも関節炎症状,消化器症状,副睾丸炎,血管系症状,精神神経症状を副症状とする慢性の全身性炎症性疾患とされている2)。なかでも,精神神経症状を呈するものは,Neuro-Behçet症候群とよばれ,予後不良な群とされている10)。
Neuro-Behçet症候群の精神症状に関しては多くの報告3,7,8,11,12)がなされている。山崎ら11)や松下3)はこの精神症状を分類している点で意義深い。4主症状と精神神経症状の出現順位については堀川ら1)やMotomuraら4)によれば,主症状発現後に精神神経症状が現われる例が多く,精神神経症状で初発するものは少ないとされている。しかし,今回われわれは,精神神経症状が先行した後にNeuro-Behçet症候群と診断された1例を経験した。本症例を報告し,若干の文献的考察を行いたい。
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