Japanese
English
研究と報告
前頭葉梗塞例にみられた固執傾向に関する研究
Perseverative Tendency in Patients with Frontal Infarction
山崎 久美子
1
,
杉下 守弘
2
Kumiko Yamazaki
1
,
Morihiro Sugishita
2
1上智短期大学
2東京都神経科学総合研究所
1Sophia Junior College
2Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences
キーワード:
Frontal lobe function
,
Wisconsin Card Sorting Test
,
WCST
,
Frontal infarction
,
Perseverative errors
,
Perseverance
Keyword:
Frontal lobe function
,
Wisconsin Card Sorting Test
,
WCST
,
Frontal infarction
,
Perseverative errors
,
Perseverance
pp.273-282
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204300
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抄録 前頭葉の高次精神機能について,ウィスコンシンカード分類検査(Wisconsin Card Sorting Test)を用いて研究を行った。対象としては,脳腫瘍や頭部外傷など,損傷部位が同定しにくい疾患を避け,脳梗塞例に限った。左前頭葉損傷者7例,右前頭葉損傷者6例,両側前頭葉損傷者2例の合計15例において検討を加えた。非前頭葉損傷者と健常者8例ずつを対照群とした。ウィスコンシンカード分類検査で把えられた固執性誤反応に注目したところ,前頭葉損傷者全例に固執傾向が認められた。固執性誤反応が生じる可能性を考慮し,学習後,再検査を行ったところ,対照群においてみられた固執性誤反応が著しく減少したことから,それらは,前頭葉性の固執反応とは性質を異にするものであることが明らかとなった。前頭葉損傷に特異的であるとされた固執傾向は,左右の背外側部のみならず,内側面や眼窩部(底面)の病巣でも出現することが示された。
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