Japanese
English
短報
抗精神病薬により遅発性呼吸性ジスキネジアを生じた1例
A Case with Tardive Respiratory Dyskinesia Induced by Neuroleptic Drugs
河野 公範
1
,
宮岡 剛
1
,
稲垣 卓司
1
,
堀口 淳
1
Kiminori KAWANO
1
,
Tsuyoshi MIYAOKA
1
,
Takuji INAGAKI
1
,
Jun HORIGUCHI
1
1島根大学医学部精神医学講座
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, Shimane University Izumo, Japan
キーワード:
Tardive dyskinesia
,
Respiratory dyskinesia
,
Neuroleptic drug
Keyword:
Tardive dyskinesia
,
Respiratory dyskinesia
,
Neuroleptic drug
pp.507-509
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101633
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はじめに
遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia;TD)は,長期の抗精神病薬服用後に認められる不随意運動である。主に舌・顎・体幹・四肢などの骨格筋に生じるが,横隔膜などの呼吸筋にも生じることがあり,呼吸性ジスキネジア(respiratory dyskinesia;RD)と呼ばれる。骨格筋に生じたTDは舞踏病様運動やアテトーゼ様運動として観察されるが,RDでは浅く,早い不規則な呼吸運動が認められ,自覚的に呼吸困難感や胸部痛を伴う。
今回我々は,不眠に対して処方された抗精神病薬により出現し,治療に苦慮したRDの1症例を経験した。本邦においてはRDの報告は少なく,その意味ではRDの認知度はいまだに低いものと思われるため,ここに若干の考察を加えて報告する。なお匿名性に配慮し,個人が特定されないように病歴には変更を加えている。
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