Japanese
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特集 老年精神医学
精神病院における老年医療の問題点
Problems in Geriatric Medicine at the Psychiatric Hospital
道下 忠蔵
1
Chuzo Michishita
1
1石川県立高松病院
1Takamatsu Hospital, Ishikawa Prefecture
pp.57-62
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204272
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I.はじめに
急速な老年人口の増加のなかで,精神病院における老人在院患者は毎年増加の一途をたどっている。厚生省の調べ1)によれば昭和60年6月末現在で,65歳以上の在院患者数は総数57,493人に達し,全在院患者340,112人の16.9%を占めるに至っている。このうち診断区分別で最も多いのは老年性の脳器質性精神障害で30,294人,全在院患者の8.9%,次いで多いのは精神分裂病で15,526人,同じく4.6%を占めている。65歳以上の中では脳器質性障害が52.7%,分裂病が27.0%と合わせて全体の79.7%に達している。
痴呆を主とする老年精神障害者と長期在院の結果高齢化した精神分裂病老人,この両者がこれからの精神病院における老人精神障害対策を考えていく上で,われわれの当面する課題の双壁と言えるであろう。
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