Japanese
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短報
日本人精神遅滞男性集団における脆弱X症候群
The Fragile X Syndrome in a Japanese Population of Institutionalized Mentally Retarded Males
有波 忠雄
1,2
,
近藤 郁子
2
Tadao Arinami
1,2
,
Ikuko Kondo
2
1茨城県立コロニーあすなろ病院
2筑波大学基礎医学系人類遺伝学
1Ibaraki Prefectural Colony Hospital
2Department of Human Genetics, Institute of Basic Medical Sciences, University of Tsukuba
pp.946-948
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204199
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I.はじめに
脆弱X症候群は,X染色体長腕末端に切断,ギャップを伴う,精神遅滞を主症状とするX-連鎖性の疾患である。欧米・オーストラリアでの集団調査の結果,男性2,000〜2,500人に1人の有病率と推定され,ダウン症候群に次いで頻度の高い染色体異常を伴う精神遅滞である6)。これまでの日本での調査では,発見された例は少なく4),日本人では同症候群の頻度は他の人種に比べて低いと推測されている。しかし,これまで報告された日本での調査は,主として精神遅滞の家族歴のある例を対象としており,また,その調査された数も少ない。そこで我々は同症候群の日本人での頻度を検討をする目的で,精神遅滞集団での調査を行ったので報告する。
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