Japanese
English
短報
ベンゾジアゼピン系剤の投薬中止が発症誘因と示唆される悪性症候群の1例
A Casc of Syndrome Malin probably due to Withdrawal of Benzodiazepine
堀口 淳
1
,
貴志 英一
1
,
渡部 嵐
1
Jun Horiguchi
1
,
Eiichi Kishi
1
,
Arashi Watanabe
1
1宇和島精神病院
1Uwajima Psychiatric Hospital
pp.1319-1321
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204043
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I.はじめに
悪性症候群は,チオプロペラジン,ハロペリドールなどのincisifな抗精神病薬の非経口投与や多剤併用,大量投与,急な減量や変更などが発症の誘因となりやすい可能性が指摘されている7)。最近では抗パーキンソン病薬の中断や減量により悪性症候群様状態が発症したパーキンソン病患者の報告3)もある。今日まで本症の治療論において,ベンゾジアゼピン系剤の本症に対する有効性を指摘する報告8)があるが,ベンゾジアゼピン系剤自体が抗精神病薬のように本症の発症誘因と考えられたとする報告はない。最近著者らは精神分裂病患者で約30年間の長期間抗精神病薬を連用し,約3年前からパーキンソンニズムおよび痴呆を合併し,抗精神病薬とともに約20年間連用してきたベンゾジアゼピン系剤の急激な中止が発症誘因と示唆され得る悪性症候群の1例を経験したので報告する。
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