Japanese
English
短報
夏季に発症した悪性症候群の2例
Two Patients Developing Neuroleptic Malignant Syndrome in Summer
山本 朗
1
,
大家 尚文
1
,
井谷 隆典
1
,
郭 哲次
1
,
志波 充
1
,
吉益 文夫
1
,
新居延 浩一
2
Akira YAMAMOTO
1
,
Takafumi OHYA
1
,
Takanori ITANI
1
,
Tetsuji KAKU
1
,
Mitsuru SHIBA
1
,
Fumio YOSHIMASU
1
,
Kouichi NIINOBU
2
1和歌山県立医科大学神経精神医学教室
2紀ノ川病院
1Department of Neuropsychiatry, Wakayama Medical University
2Kinokawa Hospital
キーワード:
Neuroleptic malignant syndrome
,
Summer
,
Heat load
Keyword:
Neuroleptic malignant syndrome
,
Summer
,
Heat load
pp.551-553
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902431
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はじめに
悪性症候群は1960年にDelayらによって最初に報告され,その後主にフランスと日本で多くの症例報告がなされてきた。これは抗精神病薬の副作用として生じ,発熱,錐体外路症状,自律神経症状,意識障害などの症状を呈する病態である。その機序としてはGABA欠乏仮説,ドーパミン・セロトニン不均衡仮説なども唱えられているが,視床下部ないし線条体のドーパミン受容体遮断仮説が最も有力である。また発症の危険因子として,薬物の種類や投与量の急激な変更3),夏季の高温状態2),性,年齢,精神科的基礎疾患,内科的合併症,高力価の抗精神病薬,精神状態,身体状態4)などが指摘されている。今回筆者らは夏季に発症した悪性症候群の2症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
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