Japanese
English
特集 前頭葉の神経心理学
前頭葉内側面と言語
Medial Frontal Lobe and Language
本村 暁
1
,
永江 和久
2
Satoru Motomura
1
,
Kazuhisa Nagae
2
1九州労災病院神経内科・リハビリテーション診療科
2九州労災病院脳卒中診療科
1Division of Neurology and Rehabilitation Medicine, Kyushu Rosai Hospital
2Cerebrovascular Division, Kyushu Rosai Hospital
pp.665-670
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203960
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I.はじめに
優位半球前頭葉内側面の病巣による失語症の記載は,1880年Magnan14)に湖る。Magnanの症例は61歳の女性で,発語の特徴は脈絡のない単語や音節で,語の復唱は可能,口頭命令による物品のpointingは時々できる,というもので,剖検により左前頭葉の上中前頭回から中心前回を圧排する腫瘍が見出された。失語症の性質について十分議論がなされていないのは時代的背景からうなづけることである。その後Penfieldら16)の刺激実験や,Critchley7)の前大脳動脈閉塞の症候学的検討により,前頭葉内側面ことに補足運動野が言語機能に何らかの役割を果たしていることが明らかにされてきた。
筆者らは,左前大脳動脈領域脳梗塞の自験2症例に基づいてその言語症候を検討し,前頭葉内側面と言語の問題について考察を加えたい。
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