Japanese
English
特集 前頭葉の神経心理学
前頭葉障害と強制把握
The Frontal Lobe and Forced Grasping
小山 善子
1
,
倉知 正佳
1
,
鈴木 重忠
2
,
能登谷 晶子
2
,
山口 成良
1
,
鳥居 方策
3
Yoshiko Koyama
1
,
Masayoshi Kurachi
1
,
Shigetada Suzuki
2
,
Masako Notoya
2
,
Nariyoshi Yamaguchi
1
,
Hosaku Torii
3
1金沢大学医学部神経精神医学教室
2金沢大学医学部耳鼻咽喉科学教室
3金沢医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Kanazawa University
2Department of Otolaryngology, School of Medicine, Kanazawa University
3Department of Neuropsychiatry, Kanazawa Medical University
pp.647-654
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203957
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われわれは病的把握現象を呈する15症例を報告した。強制把握は9例は一側性(右6例,左3例),6例は両側性にいずれも顕著に認めた。把握は本人の意志と関係なく生ずるが2例は若干随意的弛緩が可能であった。探索把握は強制把握ほど著しくなく,4例には認めていない。把握反射は11例に認めた。4例を除き他動的伸展に対して著しい反射性抵抗reflex resistance(Gegenhalten)を認めた。
随伴神経症状としては9例に同側の片麻痺を認めている。
神経心理学的所見では7例に失語症を,8例に運動行為の障害(運動失行ないし肢節運動失行,運動無視)がみられた。
病的把握現象を呈する臨床症状を紹介し,強制把握と失行との関連について若干論述した。
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