Japanese
English
研究と報告
“大都市”と“一地方都市”の妄想(幻覚)の内容についての比較
Über die Unterschiedezwischen den Wahnthemen bei schizophrenen Patienten aus einer Millionenstadt und solchen der landlichen Bevölkerung
高橋 隆夫
1
,
馬場 謙一
2
Takao Takahashi
1
,
Kenichi Baba
2
1岐阜大学医学部精神科
2群馬大学教育学部
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Gifu University
2Department of Education, Gunma University
キーワード:
Schizophrenia
,
Delusion
,
Megalopolis
,
Locality
Keyword:
Schizophrenia
,
Delusion
,
Megalopolis
,
Locality
pp.273-281
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203731
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抄録 東京都23区の分裂病患者の妄想を,一地方のそれと比較し,以下のような結果を得た。
1)“肉親”が加害者である場合が多く,“男女間の葛藤”という内容も目立った。
2)“近隣者”その他の加害者はanonymな傾向にあった。また,“職場内の加害者”が多く,“学校内のそれ”は稀であった。
3)“組織がかかわってくる”場合は男性に,“身近かな人間がかかわる”例は女性に多くみられた。後者では,“盗聴器が使用されている”と訴えるものが多かった。
4)“介在する手段”としては“テレビ”が非常に多く,また地方例の“毒”に代って,“手術”,“検査”などが目立った。
5)“生命,行動,考えなどが侵される”という場合が多く,また男性に“性の同一性が脅かされる”という例が存していた。
6)“誇大妄想”,“馮依妄想”は減少かつ稀薄化していた。また,“天皇家に関する血統妄想”は1例もみられなかった。
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