特集 文化と健康生態・1
大都市の健康生態:東京から
永見 宏行
1
,
秋山 弘子
1
,
阿部 晃一
1
,
釘本 祥子
2
,
小林 陽子
1
,
榊原 幸雄
1
,
相馬 由紀子
1
,
高橋 千草
1
,
橘 とも子
1
,
奈良部 晴美
1
,
渡邊 裕司
1
1世田谷区世田谷保健所
2世田谷区在宅サービス部
pp.640-644
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902806
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
経済成長期を中心に展開された人口移動は,地方から大都市への若年単身者を中心とするものであった.地方から大都市に移住した若年単身者が世帯を抱えるようになると,最初の住まいの場であった都心の木賃アパートから,郊外の団地・建売などのマイホームを求めるようになった.
世田谷区は,関東大震災(1923年)以後,第二次世界大戦の時期を除いて1980年代まで,マイホームを求めて大量のホワイトカラーが都心から移住してくることによって発展した都心隣接住宅地である.その発展過程に応じて,自然環境はもとより,住民の生活様式やコミュニティも変遷し,それらに応じて公衆衛生の主要課題も変遷してきた.本稿では世田谷区の主要健康課題の発生要因とその解決策を,このような都市の発展過程との関係に注目して概括したい.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.