特集 文化と健康生態・1
大都市の健康生態:大阪から
高山 佳洋
1,2
,
福島 俊也
3
1大阪府健康福祉部地域保健福祉室
2地域保健課
3大阪府和泉保健所高石支所
pp.645-650
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902807
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はじめに
生活水準の向上,生活環境の改善,国民皆保険により医療の恩恵が広く国民に行きわたったことなどの様々な環境が整って,わが国の健康指標は急速に改善し,平均寿命が世界一になって今なお伸び続けていることは,国際的に誇りうるわが国の公衆衛生の施策や活動の成果であると言っても過言ではない.
しかしながら,世界一の長寿国であるわが国にあっても,その改善の度合いは一様ではなく,仔細にみれば地域格差が存在する.その代表例として,大阪府の健康指標の推移は都市部の健康課題として,しばしば注目されてきた.というのも,大阪府における平均寿命の延びは昭和45年頃から鈍化し始め,全国順位でみると,昭和40(1965)年に男性12位,女性13位であったものが,昭和50年にはそれぞれ20位,32位,昭和60年には46位と47位へと下降してきたからである.
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