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古典紹介
—Freund, C. S.—視覚失語と精神盲について—第1回
Ueber optische Aphasie und Seelenblindheit〔Arch. Psychiat. Nervenkrankh., 20:276-297, 371-416, 1889〕
相馬 芳明
1
,
杉下 守弘
1
Yoshiaki Soma
1
,
Morihiro Sugishita
1
1東京都神経科学総合研究所臨床神経学研究部リハビリテーション研究室
1Division of Rehabilitation, Department of Clinical Neurology, Tokyo Metropolitan Institutc for Neurosciences
pp.1229-1237
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203677
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言語障害の研究は,過去15年間に目ざましい成果をあげたが,その成功は主として以下のような理由による。すなわち,すべての失語学の文献が厳重に吟味され,また可能な限り明確かつ純粋な臨床—病理対応を有する症例のみが,詳細な臨床観察や局在論的な目的のために供せられたのであった。複雑な混合症例や,部分的症状を呈する症例ば意識的に避けられたが,それはもともと錯綜した問題をさらに難しくすることを防ぐためであった。このようにして,臨床的あるいは解剖学的に,高度の独立性を有し,また症候論的に高度の理論的仮説を有するような病態像を創出することができた。こうして失語学は確実な基礎の上にうち立てられ,その後の症例報告は,それをさらに堅固なものにするために役立つのみであった。
この論文において,著者はある部分的な言語障害の研究に歩み寄る試みをあえて行ってみたい。著者の課題は,失語と精神盲の境界例を報告し,それに関連して脳損傷による言語機能障害の問題を考察することにある原注1)。
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