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展望
抗精神病薬(neuroleptics)による錐体外路症状—その治療学的意義の変遷について—その3.neurolepticsからantipsychoticsへ
Extrapyramidal Syndrome Induced by Neuroleptics: A historical review (III)
八木 剛平
1
,
伊藤 斉
2
Gohei Yagi
1
,
Hitoshi Itoh
2
1都立大久保病院紳経科
2慶応義塾大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Tokyo Metropolitan Okubo General Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
pp.686-701
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203608
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I.緒言
前回までに述べたように,neurolepticsによる錐体外路症状は,この薬物のもつ特異な神経毒性を臨床家に認識させただけでなく,しばしば分裂病に対する治療活性および行動毒性と不可分のようにみえること,また横断面においては精神面と運動面に対する複合効果をもたらし,縦断面においては臨床効果および逆効果の随伴症状として出現することから,分裂病治療学上に様々な問題を提起してきた。ここでは,これらの臨床知見がクロルプロマジンおよびレセルピア以後の薬物の開発や,実際の治療における薬物の選択基準,薬境の決定,投与方式に及ぼした影響について,また錐体外路症状を手掛りとして解明されたneurolepticsの作用局在論に基づいて示唆されている,錐体外路症状を惹起しない新しい抗精神病薬(antipsychotics)の開発可能性について考察する。今日の分裂病薬物療法の動向は,生化学的・薬理学的知見に基づいて既存のneurolepticsの特性と投与方式を規定しながら,neurolepticsにかわるalltipsychotics開発への期待を抱かせているようにみえる。
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