Japanese
English
特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学
Neurolepticsの小児精神障害に対する臨床効果およびその副作用についての検討
Studies on the Effects and Side-effects of Neuroleptics in the Treatment of Pedopsychiatric Disorders
成瀬 浩
1
H. NARUSE
1
1国立神経センター
1National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders
pp.1201-1210
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203179
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I.はじめに
小児精神科領域においては,種々の原因による行動異常・精神症状に対し,多種の薬物が用いられており,しかも多くの場合antipsychoticsがbehavior depressantとして使われている。ただ,これらの薬物は成人における経験にもとづいて使用され,成人での使用量を減少させるだけで,小児精神科領域に応用している現状である1)。この状況が好ましくないことは明らかであろう。ただ小児におけるヒト試験は,種々の倫理的な問題を伴うことが多く,このために客観的な薬物の効果判定が行ないにくいのである2)。殊にわが国の場合には,この傾向が目立っていた。われわれはこの問題の改善のため,小児行動評価研究会を組織し,小児の行動異常に対する薬物の効果判定の研究を行なって来た3,4)。
今回はハロペリドール(以下Hと略)と,diphenylbutylpiperidine誘導体pimozide(以下Pと略)を,各種の小児精神障害児に使用し,二重盲検法による客観的な効果判定を行なった経験4)について述べると共に,この研究に伴って,われわれが特に留意した点と,その対応について説明したい。
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