Japanese
English
研究と報告
一登校拒否児童の治療経過と「家族」画の変化
The Change of Family Drawing in a Case of School Phobia and its Treatment Course
上野 郁子
1
,
石川 元
1
,
鈴木 康譯
1
,
大原 健士郎
1
Ikuko Ueno
1
,
Gen Ishikawa
1
,
Yasunobu Suzuki
1
,
Kenshiro Ohara
1
1浜松医科大学精神神経学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hamamatsu University, School of Medicine
キーワード:
School phobia
,
Family therapy
,
Art therapy
Keyword:
School phobia
,
Family therapy
,
Art therapy
pp.1341-1348
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203513
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 いわゆる登校拒否の研究は,最近になり内外ともに活発となってきたが,その診断・分類・治療については,取り扱う立場によりかなり異なっている。今回われわれは,幼稚園時期より断続的に登校拒否をくり返している10歳(小学校4年生)の男子に対し,患児の知能がborderlineであること,患児をとりまく環境(家族内力動,担任教師)にも問題がある点を考慮し,多くの治療法の中で,描画(合同動的家族描画)を選択した。登校拒否の治療経過で,描画を用いた報告は数多くあるが,単なる評価尺度として,また家族のダイナミズムを知ろうとする目的で施行されているものがほとんどである。本症例は,施行された家族画が,前記の目的だけでなく治療においても,大きな意義を持つものであることを示唆していると思われたので,ここに報告する。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.