Japanese
English
研究と報告
精神病様状態を呈したヘルペス脳炎の1症例
A Case of Herpes Simplex Encephalitis with Psychotic Symptoms
上野 郁子
1
,
鈴木 康譯
1
,
大原 健士郎
1
Ikuko Ueno
1
,
Yasunobu Suzuki
1
,
Kenshiro Ohara
1
1浜松医科大学精神神経医学教室
1Dept. of Neurology and Psychiatry, Hamamatsu Univ. School of Medicine
キーワード:
Herpes simplex encephalitis
,
Psychotic symptoms
,
Relapse
Keyword:
Herpes simplex encephalitis
,
Psychotic symptoms
,
Relapse
pp.1215-1220
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203497
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抄録 発熱・頭痛・嘔吐などの身体症状より発病し,髄液所見よりウイルス性髄膜炎と診断され,対症療法により急性期を脱し自然治癒したものの,発病後1ヵ月して幻覚・妄想状態などの精神症状を主徴として再燃し,後遺症として人格変化・記銘力障害を呈するにいたった,ヘルペス脳炎とほぼ確診できる1例を経験した。ヘルペス脳炎は,最も頻度が高く最も重篤なウイルス性脳炎として知られ,また病初期に精神症状が前景に出ている報告例が多いが,本症例は精神症状を主として再燃したために精神病と誤まられた1例であり,他の報告と比較検討すると,精神症状出現の時期など,ヘルペス脳炎の臨床症状の多彩さを示すものとして,若干の文献的考察を加え,ここに報告する。
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