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資料
韓国の精神医療管見—2つの収容施設を見学して
On the Mental Health Service in the Republic of Korea
塚崎 直樹
1
Naoki Tsukasaki
1
1京都博愛会病院
1Kyoto Hakuaikai Hospital
pp.879-884
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203460
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1.はじめに
欧米諸国が近代国家として形成される過程は,主要産業の農業から工業への転換,賃金労働者の形成,都市化などの諸側面と平行して進んできたことはよく知られている。
これら近代化過程が,農村共同体の解体と共同体から排除された精神障害者の収容=精神科ベッド数の増大を伴うものであることは,精神医療にかかわるものにとって周知の事実である。日本においては,1960年代の経済の高度成長過程で,農村共同体の解体とともに,精神科ベッド数の激増が見られた。
日本の隣国である韓国も,1970年代において,年間7.0〜16.5%のGNPの伸びを伴う経済の高度成長がみられており,これに伴う精神科ベッドの変化は,精神医療の比較近代化論的な興味を引くと思われる。
筆者は,1981年5月に韓国忠清南道大田市付近の2つの施設を見学し,若干の資料を得た。韓国の精神医療について,日本での報告は少ないと思われるので,紹介したい。
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