巻頭言
老化性痴呆の医療と研究
室伏 君士
1
1国立療養所菊池病院
pp.800-801
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203451
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周知のように第12回国勢調査(昭和55年10月1日)では,65歳以上の老人が1千万人を越え(1,057万),総人口の9%を占め(国連の規定で7%以上を老人国),老人人口が10%以上の県が27となっている(第1位:島根県13.5%)。20年たらず先の昭和75年(西暦2,000年)には,現在の北欧なみに,日本は14.3%となり,1,900万人余りの65歳以上の老人を抱えることになる。
さらに痴呆老人について言えば,老化性痴呆は65歳以上の老人の4.5%(長谷川)にあり(老年痴呆1.2%,血管性痴呆2.7%,その他の痴呆0.6%),世界の先進国も3〜5%と言われている。これは今後老人人口の急増に比例して,痴呆老人が増加する可能性を示している。同様のことは精神分裂病などの機能性精神疾患についても言えることで,65歳以上の老人の2.4%を占めるこれらの疾患も,当然増加してくることになる。
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