Japanese
English
研究と報告
ミオクローヌスてんかんの疑われた1症例—Forced Normalization現象と強迫笑に焦点を当てて
A Case of Myoclonus Epilepsy Suspected with Forced Normalization and Forced Laughing
小林 隆児
1,2
Ryuji Kobayashi
1,2
1福岡大学医学部精神医学教室
2現福間病院
1Dept. of Psychiatry, School of Medicine, Fukuoka University
キーワード:
Myoclonus epilepsy
,
Forced normalization
,
Forced laughing
Keyword:
Myoclonus epilepsy
,
Forced normalization
,
Forced laughing
pp.309-317
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203392
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抄録 筆者は,最近,発作的な笑いを初発症状として,他に精神病様異常体験などの精神症状を伴ったミオクローヌスてんかんと思われる1例を経験した。治療経過の過程で,発作的な笑いや他の精神症状は抗けいれん剤の投与により悪化したが,脳波上は発作波が消失するという臨床像と脳波所見との間に強制正常化(forced normalization)と思われる現象が認められた。しかし,脳波の上で発作性律動異常が消失した際,背景活動は逆に徐波化傾向を示した。このような背景活動の異常と非発作性精神症状との関連から,このような現象を強制正常化と呼ぶことについて批判的に考察を加えた。同時に本例の発作的な笑いが,てんかん性の笑い発作ではなく,強迫笑であると推論される根拠のひとつとして,この強制正常化の現象を考えた。
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