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特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学
神経疾患におけるHaloperidolの効果とその評価—Gilles de la Tourette症候群をとおして
Clinical Experience with Haloperidol in Neurological Disease: on the Gilles de la Tourette Syndrome
飯塚 礼二
1
,
斉藤 幹郎
1
,
関 健
1
Reiji Iizuka
1
,
Mikiro Saito
1
,
Ken Seki
1
1順天堂大学精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Juntendo Univ. School of Medicine
pp.1211-1215
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203180
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1958年Haloperidol(以下HPD)が合成されて以来,基礎的,臨床的文献は2000を越えているが5),精神分裂病を中心とする精神疾患のみならずいくつかの神経疾患においてもその使用が試みられ効果をあげている。本論文ではGilles de la Tourette症候群(以下Tourette症候群)をとおしてHPDの効果とその評価方法について検討した。
1884〜5年Gilles de la Tourette4)は非協調性,突発性の不随意な筋肉運動とそれに伴う「不明瞭な叫び」,加えて汚言症,反響症状の見られる自験6例を含む9症例を発表して,当時の舞踏病の概念から独立した一疾患を分離しようと試みた。Jumping,Latah,Myriachitなどのいわゆるculture bound syndromeとの混同はあったが詳細な症例の記述は今日のTourette症候群の概念とほぼ一致している。ただ反響症状を中心に位置づけている点はShapiroら8)の現在の定義とやや異なっている。また本症候群と小児の一過性のチック等との異同の問題もあるが,今回は定義の問題には深く立ち入らない。Tourette症候群は本邦において比較的稀とおもわれていたが,最近Nomuraら6)の74症例の報告もあり,我々もまた10例以上を経験しておりかなりの潜在的な患者が存在していると考えられる。
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