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特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学
中脳辺縁系Dopamineニューロンの薬理学的所見—Haloperidolによる変化
Neuropharmacological Findings in Mesolimbic Dopaminergic System by Acute and Chronic Haloperidol Treatments
融 道男
1
,
俣賀 宣子
1
,
高嶋 瑞夫
1
,
西川 徹
1
Michio Toru
1
,
Nobuko Mataga
1
,
Mizuo Takashima
1
,
Toru Nishikawa
1
1国立武蔵療養所神経センター疾病研究第三部
1Division of Psychobiology, National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders
pp.1145-1148
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203172
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Haloperidolの作用機序を研究する上で,現在一つの焦点となっているのは,脳におけるdopamine(DA)神経細胞群における生化学的反応である。DA神経終末だけでなく中脳の神経細胞局在部位についても検索し,黒質線条体,中脳辺縁系,中脳皮質系の3系のDAニューロンについてhaloperidolがどのように異った作用をもっているかを知ることは,haloperidolの作用機序を知るだけでなく,DAニューロンの機能を知るためにも極めて有用であろう。
従来,脳内DAニューロンの機能を調べるために重要な指標となるはずのhomovanillic acid(HVA)は測定感度が極めて悪く,最近の研究4)でも線条体を対象とする場合に5匹分のラット脳を合わせねばならないという欠点があった。本研究は筆者らが最近開発した感度の高いHVAおよび3,4-dihydroxyphenylacetic acid(DOPAC)の同時定量法を用いて,haloperidolを急性と慢性に投与し,黒質線条体系および中脳辺縁系の反応の比較検討を行ったものである。
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