談話室
ソ聯將兵眼疾管見
大石 省三
pp.395
発行日 1950年9月15日
Published Date 1950/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200677
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昭和20年8月20日ソ軍が奉天に進駐して以來,21年3月10日奉天を撤收する迄約7ケ月間,毎日ソ聯將兵の眼患者を診る機会に遭遇した.即ち旧満洲医大病院は全般的に此等の人々の診療を引受けるべく開放され又一方私は週1囘耳鼻科の先生とソ聯軍病院に行つて眼科担当の女軍医と共に診療する樣要請されたからである.
元來我々の診療対照となつた人々は中國人,日本人,朝鮮人,蒙古人等各種の民族であつて,言葉よりも感を働かすと云つたことに慣れてはいたが,流石野戰のソ聯兵を相手にする時は片言も通じない爲めに相手の感情を荒立たせはしないかと,氣苦労であつた.然し概して彼等は医師特に日本人医師に対する態度は慇懃親愛であつたと云えよう.
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