Japanese
English
研究と報告
パーキンソン病の精神医学的研究(Ⅰ)—310例のアンケート調査結果を中心に
Psychiatric Study of the Parkinson's Disease (Ⅰ): Statistical investigation by questionnaire
山田 幸彦
1,2
,
富田 邦義
1
,
小川 俊樹
3
,
飯塚 礼二
1
Yukihiko Yamada
1,2
,
Kuniyoshi Tomita
1
,
Toshiki Ogawa
3
,
Reiji Iizuka
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
2朝霞病院
3茨城大学保健センター
1Dept. of Psychiatry, Juntendo University School of Medicine
2Asaka Hospital
3Univ. Health Center, Ibaraki University
キーワード:
Parkinson's disease
,
Questionnaire of 310 patients
Keyword:
Parkinson's disease
,
Questionnaire of 310 patients
pp.729-747
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203125
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 310例のパーキソン病患者を対象として,1)15項目から成る質問紙表,2)情意徴表検査,3)うつ病本人用質問紙表によるアンケート調査を行ない,以下の結果を得た。1)性差は認められない,2)体格は細長型が多い(49.7%),3)特定の信仰や酒,煙草などの嗜好に乏しい,4)単身又は配偶者のみの生活を営むものが4割,5)趣味は,屋内で非運動的,一人でできるものが選ばれる,6)平均発症年齢は55.1歳(男52.6歳,女57.1歳),7)発症により離職の場合が多い,8)約6割は1年以内に受診している,9)症状の自覚は硬さ>震え>日常の生活や動作>言葉,話しの順に深刻で,特に硬さに対する苦悩が強い,10)心理的には,特に身体無力と自己顕示が病者を特徴づけている,11)抑うつは内因性うつ病の病像と異なる,12)ほとんどの者は治療継続中であったが「著効」は僅かに13.5%である,13)治療効果は情意徴表の結果と関連する傾向が認められた。以上の結果につき若干の考察を行なった。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.