Japanese
English
特集 Brain Function Testへのアプローチ
言語学の立場から
A Linguistic Approach to Brain Function Test
神尾 昭雄
1
Akio Kamio
1
1静岡大教育学部
1Dept. of Education, Shizuoka Univ.
pp.725-727
発行日 1980年7月15日
Published Date 1980/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203124
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Ⅰ
一般にBroca型の失語症患者の発する文は,英語の場合,文法的要素が脱落したものが多く,Broca型の失語症は統語構造に関する欠陥であるとされている。しかし,Mary-Louise Kean3〜5)は,最近の音韻理論,特に音韻語(phonological word)の概念に基づいて,Broca型患者の発話は,音韻面に関わる障害であると主張している。
たとえば,しばしば指摘される(1)のような文でのbe動詞の脱落は,(1)の口語形(2)から,接辞化され前の名詞の一部と化した—'s(〔s〕〔z〕〔Əz〕)が脱落したものと考えられる。ここで注目すべきことは,この—'sのような要素は,英語の文の強勢の決定には無関係であることである。
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