巻頭言
労働精神医学の課題
小沼 十寸穂
1,2
1労働科学研究所
2広島大学
pp.114-115
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202886
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(1)
私は,労働科学研究所(労研と略称)に復帰して,労働精神医学の研究を標榜し,これを提唱して,すでに8年余りを経た。
「産業での精神医学」Psychiatry in Industry,つまり産業場裡における精神科,精神衛生ないし精神健康管理という狭義のものではなく,「労働科学としての精神医学」Psychiatry as Science of Labour,つまり労働科学(これは労働に関する体質・体力学,生理・心理学—心身医学も—,衛生・公衆衛生学,生化学・栄養学,人間工学などから公害学,さらにはその社会学・経済学にも及ぶ広汎なものの綜合科学)において,広義の神経精神医学(あるいは神経学と精神医学)の占めるべき研究領域のものを追究するのを目的としている。
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