Japanese
English
研究と報告
一過性全健忘(Transient Global Amnesia)の1例
A Case of Transient Global Amnesia
久田 研二
1
,
今井 淳子
1
,
与儀 英明
1
Kenji Kuda
1
,
Atsuko Imai
1
,
Hideaki Yogi
1
1国立療養所鳥取病院
1Tottori Hospital National Sanatorium
pp.57-61
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202879
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I.はじめに
Bender1,2)は,特徴ある健忘を示す症状群をsingle episode of confusion with amnesiaと呼び,一方,FisherとAdams7)が同様な症状群をtransient global amnesia(TGA)として報告して以来,同症候群について多くの報告がみられる。本症状群の原因として循環障害6,18,23,29,32,34)が重視され,一過性脳虚血と脳塞栓によるものが考えられている。しかし一方では,側頭葉てんかんの一型である可能性も指摘されており5,7,8,19),また脳腫瘍による例35)や薬物中毒による報告9)もあり種々の原因が考えられる。
近年,脳出血,脳血栓症などの脳血管障害における血小板の動態が注目をあびており,血小板凝集能が特に注目されている36,37)。
著者らは定型的なTGAと考えられる1例を経験し,脳波上に興味ある所見が得られ,また血小板凝集能を測定して興味ある結果が得られたので報告し,考察を加える。
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