Japanese
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研究と報告
向精神薬誘発性ミオクロニー発作について
Psychotropic Drug-Induced Myoclonic Jerks
佐野 譲
1
,
中村 一郎
2
,
勝川 和彦
3
Joh Sano
1
,
Ichiro Nakamura
2
,
Kazuhiko Katsukawa
3
1金沢大学医学部神経精神医学教室
2富山医科薬科大学医学部神経精神医学教室
3国立北陸病院
1Dept. of Neuropsychiatry, Kanazawa Univ. School of Med.
2Dept. of Neuropsychiatry, Toyama Medical and Pharmaceutical Univ. School of Med.
3Hokuriku National Hospital
pp.63-70
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202880
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I.はじめに
向精神薬が副作用として各種の錐体外路症状を惹起することは広く知られており,また異常脳波賦活作用7,9,20,22)やけいれん惹起作用についても幾多の報告がみられる。向精神薬使用中に生ずるてんかん性発作は通常散発性に出現し,大発作が多いとされている。したがって臨床的に薬剤とてんかん性発作との厳密な関連性を追求することはしばしば困難である。またこれらの研究は大部分Chlorpromazine(以下CPと略す)を対象としており,他のフェノチアジン系薬剤やブチロフェノン系薬剤のけいれん作用についての知見は乏しい1,3)。
われわれは向精神薬投与中に,振戦その他の錐体外路症状にひき続き,ミオクロニー発作を含む各種てんかん性発作が賦活された3例を経験した。長期間にわたる観察から,これら3例における向精神薬とてんかん性発作の関係は明らかであり,てんかん発作の病態生理を解明する一つの糸口として興味ある問題と思われたので,それらの臨床経過を報告し,若干の考察を加えたい。
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