Japanese
English
研究と報告
折れ線型経過をたどる自閉症児の臨床的特徴
The Clinical Features of Autistic Children Who Show Set-back Course (Knick Type)
星野 仁彦
1
,
渡部 康
1
,
横山 富士男
1
,
遠藤 正俊
1
,
金子 元久
1
,
八島 祐子
1
,
熊代 永
1
Yoshihiko Hoshino
1
,
Ko Watanabe
1
,
Fujio Yokoyama
1
,
Masatoshi Endo
1
,
Motohisa Kaneko
1
,
Yuko Yashima
1
,
Hisashi Kumashiro
1
1福島県立医科大学神経精神科
1Department of Neuropsy-chiatry, Fukushima Medical College
キーワード:
Infantile autism
,
Set back course
,
Knick type
,
Disintegrative psychosis
Keyword:
Infantile autism
,
Set back course
,
Knick type
,
Disintegrative psychosis
pp.629-640
発行日 1986年6月15日
Published Date 1986/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204161
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抄録 5歳以上の幼児自閉症80例を対象として,独自に作製した面接調査表に基づいて,折れ線型経過(Knick)の有無と自閉症児の既往歴,臨床症状,発達水準,適応状況等との関連性を調べ,Knickの有無による亜型分類の可能性について検討し,次の結果を得た。1)Knick群・疑Knick群は併せて39例(49%)あったのに対して,非Knick群は41例(51%)であった。2)Knickを示した年齢は平均21〜22カ月であった。3)Knick群・疑Knick群は非Knick群と比べて,5歳時の精神発達水準が有意に低値を示していた。4)Knick群・疑Knick群は,非Knick群と比べて,言語障害・対人関係障害などの症状がより重篤であった。5)てんかん発作・熱性けいれんなどのけいれん性疾患の既往や周産期異常の既往は,Knick群・疑Knick群でより高頻度に認められた。
以上から,幼児自閉症はその発症パターンの差異により,折れ線型と非折れ線型の2群に亜型分類され得ることを示した。そして,これらは何らかの脳機能障害の程度の差異によって発現することも示唆した。
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