巻頭言
総合病院の精神科
高臣 武史
1
1国立国府台病院
pp.590-591
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202771
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昨年6月国立国府台病院に勤めるようになって1年経った。馴れない仕事に右往左往している毎日であるが,懸案の精神科病棟の更新築もめどがついて,ほっとしているところである。予算が内定してから設計図が完成するまで短期だったのに,医師や看護婦のほとんど全員の合意がえられたのは大変うれしいことであった。ことに私たちとの話しあいのなかで,その都度私たちの要望をほとんど受け容れて,何回も設計図を書き直してくれた厚生省関信越地方医務局の営繕課長その他建設担当の人たち,更新築決定を強く押してくれた本省の整備課長その他の人たち,そして私たちと厚生省の間に立って深い配慮してくれた病院の事務部長や会計課長その他の事務職員の誠意と熱意には心から感謝している。
この新病棟建設についての討論の間,私が絶えず考えていたことは,「これからの精神科医療はどのような方向に進むであろうか。そして精神科病棟はどのような機能をもつであろうか。そのためにはどのようにつくらねばならないか」ということであった。ことに単科精神病院ではない総合病院として国立病院のなかの精神科はいかにあるべきか,それに伴って病棟はどうあらねばならないかは私たちの現実の重要課題であった。
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