特集 総合病院における精神医療
総合病院の精神神経科の運営の実際
中島 克三
1
,
加藤 誠
2
1関東中央病院
2関東中央病院神経科
pp.32-36
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202639
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はじめに
公立学校共済組合関東中央病院は,公立学校教職員と,その家族の診療を目的とし,昭和28年8月1日に開設されたが,当初は結核療養に重点がおかれていた。その後,昭和31年12月,実質的に総合病院となり,また一般社会保健の診療も開始している。ただ精神神経科の診療を開始したのはそれより遅く,外来は昭和35年4月から,入院は昭和36年2月からであった。われわれの病院に神経科が開設されたのは次の理由による。第1に,医学は身体的疾病の治療を目的として発達してきたが,精神にもさまざまな疾病があり,この身体および精神の両方に十分配慮してこそ満足できる治療が行なえること。第2に,一般患者の疾病の治療という面だけでなく,当院には公立学校職員の健康の向上増進を目的とする積極的な面がある。しかも,教師の精神的健康は,直接にその下にある生徒の精神的健康に重大影響を及ぼすので,その精神的健康の保持増進には特に意を用いねばならないこと。第3に,結核病床の必要度が減少しはじめ,収容余力が出てきたこと,などである。さて,開設以来約4年を経過したが,以下その運営について具体的に述べ,同時にその問題点について考えてみたいと思う。
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