Japanese
English
研究と報告
ヒトの睡眠に対するCloxazolamの影響
Effects of Cloxazolam on Human Sleep
小鳥居 湛
1
,
櫻田 裕
1
,
中沢 洋一
1
Tatayu Kotorii
1
,
Hiroshi Sakurada
1
,
Yoich Nakazawa
1
1久留米大学医学部精神神経科学教室
1Dept. of Neuro-Psychiatry, Kurume Univ. School of Med.
pp.313-318
発行日 1978年3月15日
Published Date 1978/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202739
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I.はじめに
Cloxazolamは,国内で合成されたbenzodiazepine誘導体に属する緩和精神安定剤である。その薬理実験から,同じbenzodiazepine系のdiazepamに類似した作用をもつといわれ,とくに,抗不安作用はdiazepamよりすぐれているといわれている14,16,23)。その他,筋弛緩作用28),抗けいれん作用17)も臨床治験から確かめられている。Benzodiazepine系薬物の中には,nitrazepamやflurazepamなどのように催眠作用が強いものもあり,その多くは終夜睡眠ポリグラフィーによって,睡眠に及ぼす影響が検討されている。cloxazolamは,他の緩和精神安定剤と比べると,強力な抗不安作用をもつ他に,抗うつ作用もみとめられ9,10,14,16,23,28),さらに,不眠に対しても有効であるという報告もある10)。しかしながら,ヒトの睡眠に及ぼす影響を,終夜睡眠ポリグラフィーによって検討したものはない。今回,われわれは,健康な成人を対象にして終夜睡眠ポリグラムを記録し,cloxazolamの2mgおよび,4mgを頓服投与した場合の,睡眠に及ぼす影響を検討したので報告する。
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