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特集 青年期の精神病理
青春期危機について(その3)—日独比較考察
Über die Jugendkrisen (Ⅲ): Aus der vergleichspsychiatrischen Sicht zwischen BRD und Japan
清水 将之
1
Masayuki Shimizu
1
1ゲッティンゲン大学精神科
1Aus der Psychiatrischen Universitätsklinik Göttingen
pp.1311-1316
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202699
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I.はじめに
比較精神医学という研究方法は,今世紀初めにE. Kraepelinによって始められてより,比較的永い歴史を持っている。この十年ばかりの間に,この領域の研究が息を吹き返しつつあるようだ。それは,1960年代以降の精神病理学の沈黙化と無関係ではなかろう。
本稿は,比較精神医学的研究を目指すものではない。ドイツ人医師によって成熟危機と診断されたドイツ青年を観察する機会を得たので,この症例に関して,二・三の問題を考えてみたい。ドイツ語圏精神医学において,青春期危機の概念がどのように捉えられているかについては,すでに本誌に書いたことがある41)。
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