Japanese
English
特集 心因をめぐる諸問題
第3回日本精神病理・精神療法学会シンポジウム
青春期神経性食欲不振症の心因に照らして
Einige Bemerkungen uber die Psychogenese der Anorexia Nervosa
下坂 幸三
1
Kozo Shimosaka
1
1順天堂大学医学部精神医学教室
1Aus der Psychiatrischen Klinik der Medizinischen Fakultät der Juntendo Universität
pp.391-395
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201203
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.
心因という術語が,由来,心身二元論を背景にもつているということ,および心因性成立psychogenesisの内実は,つねに精神生理学的過程***(Margolin1),Faergeman2),中川3),西園4))であるといつた根本問題はさておいても,心因という術語の意味は分明ではない。心が因となる,あるいは心を因とすると読めば,あまりにも包括的で,漠としている。
ところが心因の名を冠せられた心因反応とよばれる病態は,ふつうある体験に直接ひきつづいて起こる病的な急性反応と理解されている。心因という言葉から受ける語感とは異なり,きわめて限定された意味に使用されているのである。この辺の消息の矛盾については,すでに新福5)が「心因性という考えについて」と題した論文において1953年に発表したところである。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.