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特集 精神分裂病の精神生理学
精神分裂病における視覚,特にパターン刺激に対する脳波反応
EEG-Responses to Visual, especially to Pattern Stimulation in Schizophrenics
相田 誠一
1
,
武内 広盛
1
,
澤 政一
1
Seiichi Aida
1
,
Hiromori Takeuchi
1
,
Masakazu Sawa
1
1新潟大学医学部精神医学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, School of Medicine, Niigata University
pp.369-376
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202603
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I.はじめに
精神分裂病における,精神生理学的アプローチの方法としては,安静時脳波,閃光刺激時の脳波反応,いわゆる誘発電位の解析や検出による種々の試みが,従来多くなされてきている3,5)。
これらの研究を通じて,分裂病の病態生理学的特徴が,分裂病者の臨床症状,あるいは心理学的特徴と関連づけて考えられてきた。このうち,分裂病の心理学的特徴については,種々の議論があるが,分裂病者にみられる認知の歪み,あるいは知覚障害などが,分裂病の基本的特徴とまでいかなくとも,かなり重要な特徴とみなし,このような認知,知覚の障害から分裂病の諸特徴を演繹的に説明しようという試みもある2,6)。
われわれは,このような知覚あるいは,認知などの心理学的側面と脳波反応のような生理学的側面との関連性を考慮に入れつつ,特定の図形刺激による,脳波反応が,正常者や失認を伴う失語症患者の両者における反応態度の差異について調べた1)。
今回は,分裂病者にも同様の方法を適用し,特に図形認知に伴う誘発電位に見られるような反応態度に,何らかの特徴的所見が見られるか否かを検索してみた。
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