Japanese
English
研究と報告
皮膚寄生虫妄想を主症状とする感応性精神病の1家族例
A Case of Folie a Cinq of Delusion of Parasitosis (Acarophobia)
横山 茂生
1
,
岩井 闊之
1
,
久保 信介
1
,
渡辺 昌祐
1
Shigeo Yokoyama
1
,
Hiroyuki Iwai
1
,
Shinsuke Kubo
1
,
Shosuke Watanabe
1
1川崎医科大学精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Kawasaki Medical College
pp.527-533
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202486
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Ⅰ.緒言
ある個人に起こった精神障害,特に妄想体験が,その患者と密接な関係にある者に移入伝達される状態は,1877年LasèqueとFalretによる「二人での精神病」(folie à deux),1883年Lehman2)による,「感応精神病」(induzierten Irresein)の発表以来,遺伝生物学,現象学,深層心理学の立場から種々論じられてきた。そして最近では,発症した2人の病前からの心理的結合に注目して,"psychosis of association"と呼ぶ名称も付されている。
現在ではfolie à deuxはGralnick3)により次の4型に分類されている。即ち,a)強制性精神病(folie imposée),b)同時性精神病(folie simultanee),c)伝達性精神病(folie communiquée),d)感応性精神病(folie induite)の4型である。これらの詳細は,既に篠原5)がfolie a deuxについての文献的考察をしている。
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