Japanese
English
紹介
強迫神経症患者と健康者に対するLeyton Obsessional Inventoryの試用
Uses of the Leyton Obsessional Inventory in Japanese Normal Subjects and Obsessional Neurotic Patients
築山 育子
1
,
横山 茂生
1
,
久保 信介
1
,
岩井 闊之
1
,
吉田 周逸
1
,
河田 隆介
1
,
渡辺 洋一郎
1
,
宮前 文彦
1
,
西村 協子
1
,
渡辺 昌祐
1
Ikuko Tsukiyama
1
,
Shigeo Yokoyama
1
,
Shinsuke Kubo
1
,
Hiroyuki Iwai
1
,
Shuitsu Yoshida
1
,
Ryusuke Kawada
1
,
Yoichiro Watanabe
1
,
Fumihiko Miyamae
1
,
Kyoko Nishimura
1
,
Shosuke Watanabe
1
1川崎医科大学精神科学教室
1Department of Psychiatry, Kawasaki Medical School
pp.787-791
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203450
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I.はじめに
強迫症状は,神経症をはじめ精神分裂病,うつ病,脳器質疾患などにも認められる精神症状である4,5,8,10)。その治療にあたっては,各種の精神療法や薬物療法が行なわれているが6,9,11),短期間に十分な治療効果が得られない症例に,比較的多く遭遇することは,多くの精神科医が日頃経験することである。
強迫症状を有する症例をみていると,基礎疾患による差だけでなく,性格特徴にも,更には強迫症状の程度および,強迫症状を病的なものとして苦しむ度合にも,非常に多くの個人差が存在している。この個々の例についてのそれぞれの特徴を十分に把握することは,治療上重要であることは当然であろう。
しかるに,現在,わが国で一般的に用いられる心理検査の中には,MMPI3)の一部に強迫症状を評価する項目はあっても,強迫症状の性質や程度を詳しく評価できるものはなかった。
Leyton Obsessional Inventoryは,Cooperらが1970年に作成した,強迫傾向と強迫症状の量と重症度を評価する自己評価法であり,英国では広く使われている。
今回,筆者らは本検査を邦訳して,強迫神経症患者23名,健康者38名に使用し,それぞれの強迫傾向と強迫症状の有無,程度について,両群を識別し得る結果を得たので報告する。
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