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臨時増刊号特集 精神医学における日本的特性
B.治療状況の日本的特性
精神病院における患者役割意識の日米比較研究
A Comparative Study of Patienthood in Japanese and American Mental Hospital
山本 和郎
1
Kazuo Yamamoto
1
1国立精神衛生研究所地域精神衛生研究班(臨床心理学)
1Research Group of Community Mental Health, Japanese National Institute of Mental Health
pp.1394-1404
発行日 1975年12月25日
Published Date 1975/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202419
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この論文では日本のある精神病院の中の患者生活に存在する役割問題と役割概念に関する6つの有意味な因子をとりだした。更に,日本と米国の患者の間にある対人関係と要求表出の様式の文化的差異について考察した。日本では,病院スタッフ・患者関係は恩情的で家族に似た関係であり,日本の患者はたえず自分の受身的な依存要求を満足させるために病院スタッフに目を向けている。回復する手だてとしてそのスタッフからの恩恵を信ずるままでいることである。米国では,病院スタッフ・患者関係は,日本よりも感情的でなく,より機能的である。米国の患者は病院スタッフとの関係を契約的なものとしてみ,依存の直接的表明は少ない傾向がみられる。これらの文化的差異は日本と米国の一般的な社会文化による依存要求に対するコントロールと受け入れ方の差異として一部分理解されることができる。
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