古典紹介
—K. Bonhoeffer—Die exogenen Reaktionstypen
仲村 禎夫
1
Sadao Nakamura
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科
1Dept. of Neuropsy-chiatry, School of Medicine, Keio University
pp.1103-1112
発行日 1975年10月15日
Published Date 1975/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202389
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急性症状性精神病の領域において,基礎疾患の多様性に対して精神的罹病形式の大きな一様性と一致が存在するという事実が,当時私に外因性精神反応型について述べるきっかけを与えた。それはとくにきわめてさまざまな基礎疾患にしばしば反復する状態後,なかんずくせん妄,昏迷,不安に満ちた類てんかん,もうろう状態様などの性状を持った状態像,アメンチア病像および健忘症状群を意味したのであった。中毒—感染性過程,自家中毒,慢性中毒,重篤な脳挫傷は,それらが精神障害をもたらすならば,まさに存在する外囚性障害の特別な性質とは本質的に無関係に,この精神病像を好むという意味での好発型について述べたのである。
ある蓋然性をもって,私はまたそのような状態像の存在から帰納的に外因性の病因が想定され得ることを述べたのである。私は,なかんずく,昏蒙で始まるせん妄と健忘症状群を外因性障害の純粋型とみなしている。頻度の多い不安に満ちた類てんかん性興奮型に対してはてんかん性もうろう状態との類似性に,かなり多いアメンチア型に対しては緊張病との鑑別診断の困難さに私は言及した。仮定的性格を強調しながら,私はまたこれらの疾患に対して,てんかんと緊張病での自家中毒性障害の可能性を考えて,外因性条件づけの吟味を行った。
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