Japanese
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特集 精神障害と家族
児童精神医学における親の問題
The Parent's Role in the Practice of Child Psychiatry
小倉 清
1
Kiyoshi Ogura
1
1関東中央病院精神神経科
1Dept. of Psychiatry, Kanto Chuo Hospital
pp.1252-1260
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202109
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I.はじめに
一般の成人精神医学でも患者と家族の関係は診断や治療の面できわめて大切であるが,児童精神医学で親の問題がとくに重要な地位を占めているのにはそれなりの理由があるものと思われる。
人間の場合,他の動物と違って,生まれたばかりの赤坊はまったく一方的に親の被護のもとにあり,その後もかなり長期にわたって親に依存している。それだけに子供は親から強い影響を直接的に受けているのである。良しにつけ悪しきにつけ,このことはまったく避けられないことなのである。「親はなくとも子は育つ」とはいっても,この場合でも,親に代る人が育ててくれるという前提条件があってのことである。そしてそこでもやはりその人から強い影響を受けていることには変わりがないのである。
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