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研究と報告
森田神経質者の予後(その1)—治療終了3年後の経過から
The Prognosis of the Morita-Shinkeishitsu (Part 1) : From the Course of Three Years after Therapy
大原 健士郎
1
,
丸山 晋
1
,
杉田 多喜男
1
Kenshiro Ohara
1
,
Susumu Maruyama
1
,
Takio Sugita
1
1慈恵会医科大学精神神経科教室
1Dept. of Neurol. & Psychiat., Jikei Univ. School of Med.
pp.975-980
発行日 1973年9月15日
Published Date 1973/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202079
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I.はしがき
森田神経質者の予後については,高良5),中川3),与良4),鈴木7)らの報告があるが,それらはいずれも森田療法がこれらの患者に著効を呈することを示唆している。これらはすべて,治験例を対象としたアンケートによる調査報告であるが,神経質者が治療終了後どのような経過をたどって社会適応をしていったか,またその治癒像はどのようなものであるかなどについては,詳細な報告は見当らないようである。厳密な意味では,治療終了後年余を経過した患者は,山積するさまざまなストレスを体験するため,彼らがかりに好ましい社会適応をしているとしても,はたしてそれが精神療法の効果ばかりを意味するとはいえないものがある。また,アンケート調査につきものの未回答者が,現時点でどのような社会生活を送っているかについても,明らかでない点も多い。
そのような意味で,本研究では,われわれは,一定期間に自ら治療した森田神経質者全例について,上記問題点を中心にケース・スタディ的な検討を加えたいと考えた。
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